ニュースで毎日のように都道府県別統計が扱われていますが、だいたいどれも東京が1位。「日本の人口の1/10が集まっている首都圏が1位になるのは当たり前、単位人口当たりの数値を比較しなければ意味がないのに」と常日頃から思っていました。細々とエクセルで計算したりしていましたが、ラチが開かない。ならば自分で調べてしまえ!というのがスタートです。
スタートし、ユーザーが増えて来て分かったこともあります。それは「自分だと当たり前と思っていることが、他人にはそうではない」ということ。
情報公開が進んだ現代では、知りたい統計のほとんどがどこかで公開されています。今では30分も調べればたいてい統計に行きあたりようになりましたが、簡単に見つけられない人もいることが分かりました。毎日統計情報を探しているうちに統計を調べる勘が身についたのでしょう。どこを調べればいいか、どんな語句で検索したらいいか、他の人よりも少しだけ詳しくなっていたようです。
もうひとつ分かったのは「人がもとめているのは材料ではなく料理である」ということ。
政府統計の総合窓口である
e-statにはありとあらゆる統計があります。しかしユーザーが求めているのは統計データではありません。それを分かりやすく比較した情報でした。
これはあたかも料理のよう。おおもとの統計情報は”生野菜”。生で食べてもおいしくないし、お腹をこわすこともあります。まずこれを畑から採ってきて、買いやすいように市場にならべる必要があります。これが
e-stat。しかし
e-stat市場は大きすぎてどこに何があるか簡単に見つかりません。それに野菜はカットされていないので家庭で食べるには大きすぎます。
そこでユーザーが求めている野菜を市場から仕入れ、家族用にカットして売っている八百屋がとどランだと考えています。カットとは、単位人口別に比較し、偏差値を計算し、見やすく陳列する作業です。
そして最後に料理をするのはユーザー。とどランで見つけた”カット済み野菜”を使って、ブログや学校や会社のレポートという”料理”に仕立て上げるのだと考えています。
とどランでは、各都道府県別に数値が異なる原因や相関について、簡単に考察することはありますが、それ以上の因果関係について深く書くことはありません。それは料理人の仕事で、仕入れ人の私の仕事ではないと思っているからです。
これからも仕入れ人として、ユーザーが求める旬の野菜を市場で探し続けます。幸い、統計市場は巨大なのでしばらくはネタに困ることはなさそうです。それに野菜はいたむのも早い。だいぶん前に仕入れた野菜(統計)を新しいものに差し替える仕事も待ってます。
まだまだ忙しい日々が続きそうです。これからも統計八百屋「とどラン」をよろしくお願いします。
総数と、ひとりあたりの数では大きな違いがあるところが調べていても楽しいですね。
これからもよろしくお願いします。