相対的貧困率とは国民を所得順に並べて、真ん中の順位(中位数)の人の半分以下しか所得がない人(貧困層)の比率を意味する。 つまり、中位の人の年収が500万円だとしたら、250万円以下の所得層がどれだけいるかということだ。
なお、2019年の国民生活基本調査で全国の相対的貧困率は15.4%とされているが、国民生活基本調査には都道府県別のデータがないため、都道府県別データがある住宅・土地統計調査を元に計算している。
相対的貧困世帯率計算の元になる中位数(中央値)は全国平均ではなく各都道府県ごとに別々に算出している。つまり、その県の年収が低くても、貧富の差が小さければ相対的貧困率が低くなるし、年収が高くても、貧富の差が大きければ相対的貧困率が高くなるので注意願いたい。
相対的貧困世帯率の全国平均は19.09%。全世帯の19.09%が相対的貧困世帯ということになる。相対的貧困率が最も高いのは徳島県で22.18%(偏差値79.0)。2位は高知県で21.45%。3位以下は青森県(20.95%)、和歌山県(20.94%)、沖縄県(20.91%)の順。一方、最も相対的貧困率が低いのは千葉県で17.44%(偏差値30.2)。これに長野県(17.81%)、埼玉県(17.82%)、山口県(18.05%)、神奈川県(18.27%)と続いている。
分布図を見ると本州中央部で相対的貧困率が低く、西日本や北日本で相対的貧困率が高い。
他との相関を見ると
父子・母子家庭数や
生活保護受給世帯数と正の相関があり、ひとり親や生活保護受給世帯が多いところで相対的貧困率が高い。
また、
正社員数(サラリーマン数)と負の相関があり、正社員が多いところは相対的貧困率が低い。
大卒初任給や
高卒初任給とも負の相関があり、初任給が低いところで相対的貧困率が高い。安定した雇用と給与が相対的貧困率低さにつながっているようだ。