相対的貧困率とは国民を所得順に並べて、真ん中の順位(中位数)の人の半分以下しか所得がない人(貧困層)の比率を意味する。 つまり、中位の人の年収が500万円だとしたら、250万円以下の所得層がどれだけいるかということだ。
貧困率の全国平均は14.4%。最も貧困率が高いのは沖縄県で29.3%。2位以下は高知県、鹿児島県、大阪府、宮崎県と続いており、西日本で貧困率が高い。一方、貧困率が最も低いのは静岡県で9.4%。
分布図を見ると関東を中心に本州中央部で貧困率が低く、西日本や北日本で貧困率が高い。
相関ランキングでは
父子・母子家庭数との正の相関がかなり高く、ひとり親家庭が多いところで貧困率が高い。ひとり親家庭の経済環境を改善することが日本の貧困をなくすことにつながると言えそうだ。
この他、
生活保護受給世帯や
療育手帳交付数、
身体障害者手帳交付数と正の相関が高く、生活保護需給世帯や療育手帳交付数、身体障害者手帳交付数が多いところで貧困率が高い。何らかの障害により十分に働くことができないことが生活保護の受給や貧困につながっているようだ。
一方、負の相関では
パソコン普及率や
ピアノ普及率、
ビデオカメラ普及率と負の相関が高く、貧困率が高いところではこれらの高額消費財の普及率が低い。
正社員数(サラリーマン数)とも負の相関が高く、正社員が多いところは貧困率が低い。正社員に代表される安定した雇用が貧困対策に有効なようだ。