ブランド総合研究所本調査は、各都道府県の出身者に対して、ふるさと(出身都道府県)について「愛着度(愛着があるかどうか)」「自慢度(誇りに思うかどうか)」、「自慢(誇り)に思う要素(22項目)」など、25項目の設問で構成している。
「愛着度」は、出身者自身が“ふるさと”に対して感じる意識について、「自慢度」は、“ふるさと”を他者に誇れるかどうかの意識について質問している。
ここでは「愛着度」を郷土愛としている。その郷土愛が最も強いのは沖縄県で69.2ポイント。2位は北海道で61.2ポイント。以下、京都府、福岡県、高知県と続いている。本土とは違う自然や文化を持つ沖縄県と北海道、歴史と伝統の京都府と特色ある3府県が上位に入っている。
分布図を見ると、九州、四国、関西、東北で郷土愛が強い。一方、郷土愛が薄いのは関東、東海、中国、北陸といった地域だ。
相関ランキングを見ると、
ふるさと自慢との相関が強い。自慢できるふるさとを愛する人が多いのは納得できる。また
魅力との相関も高い。郷土愛やふるさと自慢が中から見た良さを表すなら、魅力は外から見た良さを表す。これらが相関するのも自然なことだろう。
一方、
戦後海外移住者数とも高い相関関係を示しているのも興味深い。郷土愛が強い地域ほど海外移住者が多いことを示しており、一見すると正反対のことのように思えるが、戦後移住者が多い南米でこれらの地域の出身者はふるさとの文化を守り強い団結力を見せている。
この他、
生活保護受給世帯や
年間完全失業率、
学校給食費滞納率といったネガティブなランキングとも正の相関がある。これは経済的に恵まれない地域で郷土愛が強いことを示している。戦後海外移民の多くも経済的困窮から海を渡っており、経済的困窮が人々を団結させて郷土愛を高めると考えることもできそうだ。