高齢単身世帯 65歳以上の人一人のみの一般世帯
高齢夫婦世帯 夫65歳以上,妻60歳以上の夫婦1組のみの一般世帯
相対的貧困率とは国民を所得順に並べて、真ん中の順位(中位数)の人の半分以下しか所得がない人(貧困層)の比率を意味する。 つまり、中位の人の年収が500万円だとしたら、250万円以下の所得層がどれだけいるかということだ。
相対的貧困世帯率計算の元になる中位数(中央値)は全国平均ではなく各都道府県ごとに別々に算出している。つまり、その県の年収が低くても、貧富の差が小さければ相対的貧困率が低くなるし、年収が高くても、貧富の差が大きければ相対的貧困率が高くなるので注意願いたい。
高齢世帯の相対的貧困率の全国平均は30.52%で、
全世帯の相対的貧困率19.01%の約1.5倍。最も高いのは沖縄県で38.55%と、沖縄の高齢世帯の4割が相対的貧困世帯となっている。2位以下は山形県、福井県、山梨県、三重県と続いている。一方、相対的貧困率が最も低いのは福岡県で26.33%。これに東京都、神奈川県、大阪府、北海道と都市部が下位に多い。
相関ランキングでは
人口集中度と負の相関が、
農業就業人口と正の相関が高く、人口がまばらで農業就業者が多い地方で高齢者の相対的貧困率が高い。
家族構成で見ると、
核家族率と負の相関が高く、
三世代世帯人数と正の相関が高いことから、三世代世帯が多く核家族が少ないところで高齢者の相対的貧困率が高い。
ここで言う「高齢世帯」は高齢者だけの世帯であり、三世代世帯は含まれていない(※)。つまりこのようなところは高齢者だけでは金銭的に暮らしていけないので三世代で同居していると考えることもできそうだ。
確かに、地方に多い農業就業者がもらう国民年金は満額で78万100円(平成27年度)であり、サラリーマンのような第3号被保険者制度もないことから、高齢世帯だけで暮らしていくのは難しいだろう。
逆に都市部は厚生年金などで金銭的に暮らしていける高齢者が多いので三世代世帯が少なく核家族率が高いと言えそうだ。
※65歳以上の孫、親、祖父母という家庭があれば三世代世帯になるが、現実的にはほとんどないと思われる。