相対的貧困率とは国民を所得順に並べて、真ん中の順位(中位数)の人の半分以下しか所得がない人(貧困層)の比率を意味する。 つまり、中位の人の年収が500万円だとしたら、250万円以下の所得層がどれだけいるかということだ。
相対的貧困世帯率計算の元になる中位数(中央値)は全国平均ではなく各都道府県ごとに別々に算出している。つまり、その県の年収が低くても、貧富の差が小さければ相対的貧困率が低くなるし、年収が高くても、貧富の差が大きければ相対的貧困率が高くなるので注意願いたい。
ここでは、住宅・土地統計調査に掲載されている家族類型のうち、以下の世帯の合計数で計算している。
家族コード 家族類型
113_(3) 男親と子供から成る世帯→1131_[1] 男親が家計を主に支える者の世帯
114_(4) 女親と子供から成る世帯→1141_[1] 女親が家計を主に支える者の世帯
ひとり親世帯の相対的貧困率の全国平均は27.94%。相対的貧困率が最も高いのは鳥取県で32.82%(偏差値73.6)。2位は徳島県で32.07%。3位以下は福島県(31.21%)、栃木県(31.09%)、山形県(30.89%)の順。一方、最も相対的貧困率が低いのは山口県で23.69%(偏差値29.2)。これに北海道(24.36%)、京都府(24.75%)、石川県(24.88%)、高知県(25.23%)と続いている。
分布地図を見ると都市部で貧困率が低いのが目立っている。
相対的貧困率、
子育て世帯の相対的貧困率ともに都会が高く地方が低くなっているが、ひとり親家庭に限定するとこれが逆転して都会で貧困率が低く、地方で高くなっているのが興味深い。
他との相関を見ると
三世代世帯人数と正の相関があり、
核家族率と負の相関があることから、大家族が多く核家族が少ないところでひとり親世帯の相対的貧困率が高くなっている。
これらをまとめると子育て環境はこのようになっているようだ。
都市部
祖父母などの支援が少なく子育ては大変だが、その分、社会的な支援が多くひとり親世帯の貧困率が低い。ひとり親とそれ以外の格差が小さい。
地方
祖父母などの支援があり子育ては楽だが、その分、社会的な支援が少なくひとり親世帯の貧困率が高い。ひとり親とそれ以外の格差が大きい。