相対的貧困率とは国民を所得順に並べて、真ん中の順位(中位数)の人の半分以下しか所得がない人(貧困層)の比率を意味する。 つまり、中位の人の年収が500万円だとしたら、250万円以下の所得層がどれだけいるかということだ。
相対的貧困世帯率計算の元になる中位数(中央値)は全国平均ではなく各都道府県ごとに別々に算出している。つまり、その県の年収が低くても、貧富の差が小さければ相対的貧困率が低くなるし、年収が高くても、貧富の差が大きければ相対的貧困率が高くなるので注意願いたい。
ここでは、住宅・土地統計調査に掲載されている家族類型のうち、以下の世帯の合計数で計算している。
家族コード 家族類型
1121_[1] 夫婦のいずれかが家計を主に支える者の世帯
1131_[1] 男親が家計を主に支える者の世帯
1141_[1] 女親が家計を主に支える者の世帯
123_(7) 夫婦,子供と両親から成る世帯
124_(8) 夫婦,子供とひとり親から成る世帯
126_(10) 夫婦,子供と他の親族(親を含まない) から成る世帯
128_(12) 夫婦,子供,親と他の親族から成る世帯
子育て世帯の相対的貧困率の全国平均は8.06%。相対的貧困率が最も高いのは沖縄県で13.05%(偏差値94.3)。2位は高知県で9.88%。3位以下は宮崎県(9.48%)、徳島県(9.42%)、東京都(9.22%)の順。一方、最も相対的貧困率が低いのは島根県で6.08%(偏差値33.6)。これに富山県(6.13%)、新潟県(6.25%)、石川県(6.35%)、山形県(6.36%)と続いている。
分布図を見ると西日本の太平洋岸や北関東で相対的貧困率が高い。
他との相関をみると
学校給食費滞納率や
生活保護受給世帯、
父子・母子家庭数と正の相関があり、子育て世帯の相対的貧困率が高いところは学校給食費滞納率が高く、生活保護受給世帯やひとり親家庭が多い。
学力テストの正答率との相関を見ると、
全国学力テスト中学生正答率と負の相関があるが、
全国学力テスト小学生正答率とは相関がない。つまり、小学生の成績と貧困率には相関がなかったのに、中学生になると相関が出てくることが分かる。
離婚件数や
父子・母子家庭数、
学校給食費滞納率などの家庭環境に関するランキングでも同じ傾向があり、小学生よりも中学生の方が家庭環境が学業に与える影響が大きいと言えそうだ、
住宅・土地統計調査では家族類型と世帯の年間収入階級別世帯数が公表されています。このうち、
夫婦と子供から成る世帯
男親と子供から成る世帯
女親と子供から成る世帯
夫婦,子供と両親から成る世帯
夫婦,子供とひとり親から成る世帯
夫婦,子供と他の親族(親を含まない)から成る世帯
夫婦,子供,親と他の親族から成る世帯
の合計を「子育て世帯」としています。
つぎに収入階級は以下のようになっていて、各階級ごとの世帯数が掲載されています。
100万円未満
100〜200万円
200〜300万円
300〜400万円
400〜500万円
500〜700万円
700〜1000万円
1000〜1500万円
1500〜2000万円
2000万円以上
次に低い階級から世帯数を足していき、全世帯数の半分を超えた収入階級のところに中央値があることが分かります。
あとは全世帯数の半分の値から、前の階級までの合計世帯数を引き、按分計算して中央値を出しています。
次に中央値を半分にすることで相対的貧困世帯の基準収入が分かります。つぎに基準収入が含まれる収入階級を見て、基準収入から人数を按分計算して相対的貧困世帯数を割り出しています。
按分する際は、その階級内では各世帯が均等に分布しているものとして計算しています。