地方財政情報館:
自主財源・依存財源地方自治体の財源には、自らの権限で収入しうる財源と、国を経由する財源で自治体の裁量が制限されている財源とがある。前者を自主財源と呼び、後者を依存財源という。自主財源の中心は言うまでもなく地方税であり、そのほか、条例や規則で徴収できる使用料や手数料なども自主財源である。依存財源の典型は国庫支出金(補助金)であり、地方交付税も国の一般会計を経由してくることもあって依存財源とされる。地方債については、原則的には起債自由(自治法二三〇条)であるから自主財源であるはずだが、許可制度があるため(自治法二五〇条)に依存財源に分類されている。
一般的には「地方譲与税、地方交付税、国庫支出金、都道府県支出金、地方債」がこれにあたるとされている。
当サイトでは以下の計算式で各都道府県の自主財源比率を計算した。
自主財源比率=(歳入-依存財源)÷歳入
ただし、都道府県支出金は依存財源から外して計算している。市区町村から見れば都道府県から支出される都道府県支出金は依存財源だが、都道府県という視点で見ると、都道府県の外から入ってくるお金ではないので除外している。つまりここでいう「自主財源」とは、都道府県市区町村に入るお金から、国から来るお金と地方債を除いた額になっているので注意願いたい。
自主財源比率の全国平均は59.03%。自主財源比率が最も高いのは東京都で84.99%(偏差値83.0)。東京都は地方交付財を交付されていないだけあって、自主財源比率が高い。2位は愛知県で74.44%。3位以下は神奈川県(71.34%)、千葉県(66.22%)、埼玉県(65.39%)と都市部が上位を占めている。
一方、最も自主財源比率が低いのは高知県で35.88%(偏差値33.3)。これに島根県(38.32%)、鹿児島県(40.10%)、長崎県(40.21%)、鳥取県(40.80%)と続いていて地方で自主財源比率が低い
分布地図を見ても三大都市圏で自主財源比率が高く、地方で低い。
相関ランキングでは
最低賃金や
家賃と正の相関が高く、最低賃金や家賃が高い都市部で自主財源比率が高い。
サラリーマン年収や
宿泊・飲食業界年収、
製造業界年収、
不動産業界年収、
卸売業界年収など各種年収ランキングとの正の相関も高く、年収が高いところで自主財源比率が高い。年収が高いところは豊かな経済力に支えられて税収も高く、自主財源比率が高くなると言えそうだ。
また、
在日外国人や
在日中国人と正の相関があり、自主財源比率が高いところに在日外国人が多い。経済的に豊かで仕事が多いところに外国人が多いと言えそうだ。