都道府県別地方債発行額

総務省の地方財政状況調査関係資料から地方債発行額ランキング。ここでは2015年に各都道府県と市区町村が発行した地方債の合計を人口で割って比較している。

全国の地方債発行額は10兆7152億円で、人口1人あたり8.43万円。このうち、都道府県が発行した地方債は5兆5280億円で、市区町村が発行した地方債は5兆1871億円となっている。

地方債発行額が最も多いのは島根県で人口1人あたり18.25万円(偏差値77.1)。2位は高知県で16.61万円。3位以下は和歌山県(14.41万円)、秋田県(14.19万円)、福井県(13.50万円)の順。一方、最も地方債発行額が少ないのは東京都で人口1人あたり2.13万円(偏差値20.3)。これに神奈川県(5.60万円)、愛知県(5.71万円)、埼玉県(6.24万円)、千葉県(6.26万円)と続いていて首都圏で地方債発行額が少ない。

1人あたり地方債発行額が最も多いのは島根県で19.27万円と全国平均の約2倍。2位は新潟県で16.73万円。3位以下は富山県、和歌山県、石川県と続いている。一方、1人あたり地方債発行額が最も少ないのは東京都で3.84万円。これは1位島根県の1/5の数値だ。東京都の次は神奈川県、千葉県、埼玉県と続いていて首都圏で地方債発行額が少ない。

分布地図を見ると三大都市圏で地方債発行額が少なく地方で多い。相関ランキングでも人口や家賃と負の相関があり、人口が多く家賃が高い都市部で地方債発行額が少ない。

人口に目を向けると65歳以上人口(高齢者数)と正の相関が高く、生産年齢人口と負の相関が高いことから、高齢者が多く現役世代が少ないところで地方債発行額が多い。

また、公共事業費と正の相関があり、地方債がたくさん発行されているところは公共事業費が高い。

これらのことから地方では

働き手が減少
↓
税収が減少
↓
地方債を発行して公共事業を行い経済を刺激

というサイクルが成り立っているようだ。