人口集中地区人口集中地区(じんこうしゅうちゅうちく)とは、日本の国勢調査において設定される統計上の地区である。英語による"Densely Inhabited District"を略して「DID」とも呼ばれる。市区町村の区域内で人口密度が4,000人/km2以上の基本単位区(平成2年(1990年)以前は調査区)が互いに隣接して人口が5,000人以上となる地区に設定される。ただし、空港、港湾、工業地帯、公園など都市的傾向の強い基本単位区は人口密度が低くても人口集中地区に含まれる。都市的地域と農村的地域の区分けや、狭義の都市としての市街地の規模を示す指標として使用される。
人口密度は単純に人口を面積で割ったものであるが、人口集中度はどれだけ多くの人が人口集中地区に住んでいるかが分かるので、都市化の度合いを知ることができる。
人口集中度の全国平均は68.3%。人口集中度が最も高いのは東京都で98.4%(偏差値74.5)。2位は大阪府で95.7%。3位以下は神奈川県(94.4%)、京都府(83.6%)、埼玉県(80.2%)の順。一方、最も人口集中度が低いのは島根県で24.2%(偏差値34.9)。これに山梨県(31.2%)、佐賀県(31.4%)、岩手県(31.9%)、香川県(32.6%)と続いている。
人口密度が最も低かった北海道は人口集中度では8位になっており、北海道の人は広大な土地に点在しているのではなく、都市部の人口集中地区にまとまって住んでいることが分かる。
相関ランキングでは
公共交通機関通勤・通学率と正の相関があり、
自動車普及率(2台以上)と負の相関があることから、人口集中度が高いところは自動車よりも公共交通機関が多く利用されていることが分かる。
また、
最低賃金や
家賃とも正の相関があり、人口集中度が高いところは賃金や家賃が高い。
その他にも都市地方対立型のランキングとの相関が高く、人口集中度が都市と地方を分ける典型的な指標となっているようだ。