総務省の家計調査から都道府県別鉄道切符代ランキング。家計調査は全国から9000世帯を抽出して調査しており、この中から単身世帯を除いた二人以上の世帯の支出を調べた。家計調査には県庁所在地と政令指定都市の数値が掲載されており、政令指定都市がある県は政令指定都市と県庁所在地の平均値を、政令指定都市がない県は県庁所在地の数値を県の消費量としている。また、年による変動が考えられるので直近5年間の平均値をとっている。
ここでは
1) 鉄道運賃…普通運賃、特急料金、急行料金、指定料金など
2) 鉄道通学定期代
3) 鉄道通勤定期代
の3つを合計したものを比較している。
鉄道切符代の全国平均は年間39,116円。最も切符代が高いのは東京都で70,118円。2位は奈良県で69,285円。3位以下は埼玉県、神奈川県、兵庫県と都市部とその周辺部が上位を占めている。
一方、鉄道切符代が最も低いのは沖縄県で5,425円。これに宮崎県、徳島県、愛媛県、島根県、高知県と続いており、鉄道網があまり発達していない地方が下位を占めている。
分布地図を見ると東京と大阪の周辺で鉄道切符代が高い。両都市に加えて東海道・山陽・東北新幹線沿線でも鉄道切符代が高い。
鉄道切符代に占める定期券代の比率を大都市近郊と新幹線沿線で比較してみると以下の通りとなっている。
大都市近郊では定期券の比率が40%を越えているが、新幹線沿線各県では30%台以下となっている。新幹線沿線では通勤や通学で鉄道を利用することは少ないが、旅行などで新幹線を利用するため鉄道切符代が高くなっていると言えそうだ。そういう視点で見ると青森県、新潟県、熊本県、鹿児島県は新幹線沿線にもかかわらず鉄道切符代が低く、あまり新幹線の効果が出ていないと言えそうだ。
相関ランキングでは
鉄道通勤・通学率や
通勤時間と正の相関が高く、鉄道で長時間通勤するところで鉄道切符代が高い。
また、
自家用車通勤・通学率と負の相関があり、車で通勤することが多い車社会で鉄道切符代が低い。