ここで言う自転車購入費には、自転車の付属品(子供用のいす、かご、荷物用のゴムベルト)や、自転車の整備・修理代は含まれていない。本来ならこれらの費用も含めた費用を比較したいが、付属品は自動車やバイクと一緒に計上されており、整備・修理代はバイクと一緒に計上されているため含めなかった。
一世帯あたり自転車購入費の全国平均は3,419円。最も多いのは埼玉県で5,880円。2位は東京都の5,426円、3位は神奈川県の4,850円と首都圏がトップ3を占めている。4位以下は香川県、栃木県、静岡県の順。
一方、自転車購入費が最も少ないのは長崎県で530円。これは調査対象となっている長崎市が山がちで自転車の移動に向かないためだ。長崎市に次いで少ないのは鹿児島県で856円。鹿児島市も山が多い上に桜島の降灰があり、自転車が敬遠されがちなためと思われる。
分布地図を見ると、都市部を中心に太平洋側で自転車購入費用が多く、日本海側や北日本で少ない。
相関ランキングでは
地方交付税額と負の相関が高く、地方交付税交付額が多い地方で自転車購入費用が少ない。
軽自動車普及率とも負の相関があり、自転車購入費用が少ないところは軽自動車の普及率が高い。都会では自転車が、地方では軽自動車が”生活の足”として使われているようだ。
また、
25歳以上サイクリング人口と正の相関があり、サイクリング人口が多いところは自転車購入費用も多い。サイクリングのためには自転車を買わなければならないので当然の結果と言える。
沖縄や南九州の数値が低いため、
年間雪日数や
年間平均気温との相関はないが、日本海側や北日本で自転車購入費が少ないのは雪が多く自転車に乗れる期間が短いためと思われる。