国立がん研究センターがん対策情報センターのがん情報サービスから女性のがんのなかで10番目に多い白血病死亡率の都道府県別ランキング。ここでは2010年から2012年の75歳未満年齢調整死亡率の平均値を比較している。年齢調整死亡率とは都道府県による年齢構成の違いを調整した死亡率のことで、人口10万人あたり死亡者数のことだ。
白血病の年齢調整死亡率の全国平均は1.77。75歳未満10万人あたり1.77人の女性が白血病で亡くなっていることになる。
最も女性の白血病死亡者が多いのは鹿児島県で、人口10万人あたり3.93人。2位以下は沖縄県、長崎県、宮崎県、佐賀県と九州各県が上位に多い。最も少ないのは広島県で1.20人。三重県や五府県、山口県、東京都などで死亡者が少ない。
分布地図を見ると九州や沖縄で死亡率が高い。これは白血病の一種である成人T細胞白血病がこの地域で多いためと思われる。
成人T細胞白血病成人T細胞白血病(ATL)は、病名に白血病とあるように“血液のガン”である白血病の一種である。血球には赤血球、白血球、血小板があり、白血球には顆粒球やリンパ球などがある。さらに、リンパ球は「T細胞」と「B細胞」などに分けられる。成人のリンパ性の白血病はB細胞によるガンがほとんどだ。ところが、ATLの場合はT細胞によるガンなのである。そのため、成人T細胞白血病と名付けられた。
1976年、京都大学の高月清医師によって、ATLは発見された。患者は鹿児島県の出身者だった。ATLは、ウイルス感染によるガンで、その原因ウイルスが80年に米国のギャロ博士によって発見され、「HTLV-1」と命名された。
ATLのキャリア(感染者)は世界に2000万人、日本には120万人いると推測されている。キャリアが多いとされているのは、九州、沖縄、四国南部、東北のほか、台湾、フィリピン、マレーシア、ハワイ、インド、スウェーデン等々である。
HTLV-1ウイルスについては
HTLV-1とはを参照。
相関ランキングでは九州が上位を占める
肉用牛畜産農家数や
焼酎消費量と正の相関が高く、白血病が九州に多いことを裏付けている。
女性のがん死亡率ランキング(死亡率が高い順)
乳がん死亡率大腸がん死亡率:女性肺がん死亡率:女性胃がん死亡率:女性膵がん死亡率:女性子宮がん死亡率卵巣がん死亡率肝がん死亡率:女性胆のうがん死亡率:女性白血病死亡率:女性悪性リンパ腫死亡率:女性食道がん死亡率:女性膀胱がん死亡率:女性がん死亡率:女性がん死亡率:男性