白血病の年齢調整死亡率の全国平均は3.13。75歳未満10万人あたり3.13人の男性が白血病で亡くなっていることになる。
最も男性の白血病死亡者が多いのは鹿児島県で、人口10万人あたり5.87人。2位以下は宮崎県、長崎県、沖縄県、大分県と九州各県が上位に多い。最も少ないのは富山県で2.17人。群馬県や山梨県、岡山県、滋賀県などで死亡者が少ない。
分布地図を見ると九州や沖縄で死亡率が高い。これは白血病の一種である成人T細胞白血病がこの地域で多いためと思われる。
成人T細胞白血病成人T細胞白血病(ATL)は、病名に白血病とあるように“血液のガン”である白血病の一種である。血球には赤血球、白血球、血小板があり、白血球には顆粒球やリンパ球などがある。さらに、リンパ球は「T細胞」と「B細胞」などに分けられる。成人のリンパ性の白血病はB細胞によるガンがほとんどだ。ところが、ATLの場合はT細胞によるガンなのである。そのため、成人T細胞白血病と名付けられた。
1976年、京都大学の高月清医師によって、ATLは発見された。患者は鹿児島県の出身者だった。ATLは、ウイルス感染によるガンで、その原因ウイルスが80年に米国のギャロ博士によって発見され、「HTLV-1」と命名された。
ATLのキャリア(感染者)は世界に2000万人、日本には120万人いると推測されている。キャリアが多いとされているのは、九州、沖縄、四国南部、東北のほか、台湾、フィリピン、マレーシア、ハワイ、インド、スウェーデン等々である。
HTLV-1ウイルスについては
HTLV-1とはを参照。
相関ランキングでは九州が上位を占める
肉用牛畜産農家数や
焼酎消費量と正の相関が高く、白血病が九州に多いことを裏付けている。
男性のがん死亡率ランキング(死亡率が高い順)
肺がん死亡率:男性胃がん死亡率:男性大腸がん死亡率:男性肝がん死亡率:男性膵がん死亡率:男性食道がん死亡率:男性胆のうがん死亡率:男性白血病死亡率:男性悪性リンパ腫死亡率:男性前立腺がん死亡率膀胱がん死亡率:男性がん死亡率:男性