国立がん研究センターがん対策情報センターのがん情報サービスから女性のがんのなかで7番目に多い卵巣がん死亡率の都道府県別ランキング。ここでは2010年から2012年の75歳未満年齢調整死亡率の平均値を比較している。年齢調整死亡率とは都道府県による年齢構成の違いを調整した死亡率のことで、人口10万人あたり死亡者数のことだ。
国立がん研究センター:
75歳未満年齢調整死亡率2007年4月、国のがん対策を総合的かつ計画的に推進することを目的として、「がん対策基本法」が施行されました。2007年6月にはこの法律に基づいて、「がん対策推進基本計画」が策定され、全体目標の1つとして「がんによる死亡者の減少」が掲げられました。「75歳未満年齢調整死亡率」はその評価指標として用いられています。この指標が用いられたのは、年齢調整率を用いることで高齢化の影響を除去し、75歳以上の死亡を除くことで壮年期死亡の減少を高い精度で評価するという理由に基づいています。
卵巣がんの年齢調整死亡率の全国平均は3.70。75歳未満10万人あたり3.70人の女性が卵巣がんで亡くなっていることになる。
最も女性の卵巣がん死亡者が多いのは青森県で、人口10万人あたり5.57人。2位以下は秋田県、栃木県、神奈川県、東京都と続いている。一方、最も少ないのは岡山県で2.33人。山梨県、宮崎県、石川県、沖縄県などで死亡者が少ない。分布地図を見ると東日本で死亡率が高く、西日本で低い。
次に卵巣がんの危険因子との相関を見てみよう。
卵巣がん危険因子卵巣がんは妊娠・出産と深い関係にあると言われています。出産の回数が多くなるほど卵巣がんになりにくく、出産を経験しない人や不妊の女性は、卵巣がんにかかる率が高いと言われています。卵巣がんの中で最も多い表層上皮性・間質性腫瘍は、排卵のたびに卵巣上皮が破壊され、それを修復するために細胞を増殖させるホルモンが分泌され、細胞が増え過ぎた状態が卵巣がんです。
(略)
妊娠・出産は排卵回数を少なくしますので、卵巣がん発生の機会が少なくなります。
相関を見ると
兄弟姉妹数や
合計特殊出生率、
子供の数と負の相関があり、子供をたくさん産む地域で卵巣がんが少ない。都道府県レベルでも出産と卵巣がんに相関があると言えそうだ。
女性のがん死亡率ランキング(死亡率が高い順)
乳がん死亡率大腸がん死亡率:女性肺がん死亡率:女性胃がん死亡率:女性膵がん死亡率:女性子宮がん死亡率卵巣がん死亡率肝がん死亡率:女性胆のうがん死亡率:女性白血病死亡率:女性悪性リンパ腫死亡率:女性食道がん死亡率:女性膀胱がん死亡率:女性がん死亡率:女性がん死亡率:男性