都道府県別狭心症・心筋梗塞死亡者数

人口動態調査から狭心症・心筋梗塞死亡者数の都道府県別ランキング。日本人の三大死因のひとつである心疾患のうち、虚血性心疾患の死亡者数を比較している。虚血性心疾患とは何らかの原因で心臓への血液の供給が減り、心臓を動かす役目を持つ心筋が壊死などの機能障害を起こす病気だ。ここでは人口動態調査の死因分類のうち「急性心筋梗塞」と「その他の虚血性心疾患」の数を合算して計算している。

狭心症・心筋梗塞による死亡者数は年間74,809人で、人口10万人あたり58.77人。最も多いのは和歌山県で104.90人。2位以下は福島県、高知県、栃木県と続いている。一方、死亡者数が最も少ないのは福岡県で38.02人。

分布地図を見ると、ガンなどとちがってあまり地域的な傾向が見えない。あえて言えば中部地方や北部九州で発生率が低く、北関東から南東北にかけて高くなっている。一方、関西のように密度が高い県と低い県が混在してるところもある。

wilipediaでは危険因子として以下の項目があげられている。

Wikipedia「虚血性心疾患」

日本人の危険因子は以下のとおり。

1. 加齢:男性は45歳以上、女性55 歳以上
2. 冠動脈疾患の家族歴(両親、祖父母、兄弟、姉妹)
3. 喫煙
4. 高血圧:収縮期血圧140以上あるいは拡張期血圧90mmHg以上
5. 肥満:BMI25以上かつウエスト周囲径が男性85cm、女性90cm以上
6. 耐糖能異常(境界型および糖尿病型)
7. 高コレステロール血症(総コレステロール220mg/dL以上あるいはLDLコレステロール140mg/dL以上)
8. 高グリセライド血症(150 mg/dL以上)
9. 低HDLコレステロール血症(40 mg/dL未満)
10. メタボリックシンドローム[3]
11. 精神的、肉体的ストレス

高コレステロール、肥満、喫煙、ストレスなどが危険因子となっており、いわゆる生活習慣によって引き起こされる病気と言えよう。地域的な違いもあまり見られないことから、都道府県による検診などの取り組みによって差があるのかもしれない。

相関ランキングでは狭心症・心筋梗塞死亡者数:男性、狭心症・心筋梗塞死亡者数:女性以外に相関係数が高いランキングが見当たらず、他の要素との関連は見当たらない。

なお、統計には「心不全」の項目もあり、心疾患の中では一番多くの死者となっている。wikipediaによると

Wikipedia「心不全」

心不全は、心臓が、全身が必要とするだけの有効な循環血漿量を保てないことを表す概念であり、そのような病態となるに至った原因は問わない。

となっており、心不全に至る原因は単一ではない。このサイトでは特定の病気を通じて生活習慣などに関係する地域性を見いだすのが目的であり、複数の原因が考えられる心不全については調べていない。

男女別の数値は以下を参照

狭心症・心筋梗塞死亡者数:男性
狭心症・心筋梗塞死亡者数:女性