総務省の家計調査から上下水道使用料のランキング。家計調査は全国から10000世帯を抽出して調査しており、この中から単身世帯を除いた二人以上の世帯の使用料を比較している。
家計調査には県庁所在地と政令指定都市の数値が掲載されており、複数の調査都市がある県はそれぞれの値を人口比で按分した数値を、それ以外の県は県庁所在地の数値を県の支出としている。また、年による変動が考えられるので2014年~2018年の平均値をとっている。
上下水道使用料の全国平均は61,967円。使用料が最も高いのは山形県で87,081円(偏差値74.5)。2位は長野県で85,612円。3位以下は島根県(78,777円)、埼玉県(77,321円)、滋賀県(76,577円)の順。一方、最も使用料が低いのは徳島県で45,612円(偏差値30.0)。これに兵庫県(46,174円)、鹿児島県(51,068円)、北海道(51,181円)、和歌山県(53,696円)と続いている。
分布地図を見ると北日本や日本海側で使用料が高くなっている。このうち、東北地方は凍結対策のインフラが必要なためか水道料金が高く、水道料金を押し上げているようだ。また日本海側は下水道普及率が高く下水道料金も上乗せされて高くなっているようだ。
この他ピンポイントで高くなっている滋賀県、京都府、奈良県、島根県、佐賀県、長崎県も下水道普及率が高かったり、水道料金が高かったりしており、このあたりの事情が上下水道使用料を左右しているようだ。
その他との相関は以下のようになっている。
年間晴れ日数や
年間日照時間と負の相関があり、晴れの日が少なく日照時間が短いところで上下水道使用料が高い。やはり寒さ対策が費用を押し上げているようだ。
また、
核家族率とも負の相関があり、核家族が多い都市部で上下水道使用料が低い。人口が集中する都市部ではインフラを作ったときの利用者が多いためひとりあたりの負担が下がる一方、人口がまばらな地方ではインフラを支える人口が少ないため負担があがっているようだ。