家計調査には県庁所在地と政令指定都市の数値が掲載されており、複数の調査都市がある県はそれぞれの値を人口比で按分した数値を、それ以外の県は県庁所在地の数値を県の消費量としている。また、年による変動が考えられるので2014年~2018年の平均値をとっている。
昆布消費量の全国平均は296g。消費量が最も多いのは岩手県で657g(偏差値80.3)。2位は青森県で631g。3位以下は山形県(565g)、富山県(534g)、宮城県(462g)の順。一方、最も消費量が少ないのは宮崎県で171g(偏差値36.5)。これに熊本県(198g)、兵庫県(200g)、徳島県(202g)、愛媛県(205g)と続いている。
以前は消費量一位だった富山県だが、近年は岩手県や青森県に抜かれて順位が低下している。
昆布生活富山市の消費量が多い理由としては、昆布が日本各地に広がっていった経過が関係あります。富山は江戸時代に海運業で栄え、昆布を蝦夷(北海道)から大阪に運んでいた北前船の中継地点として、大量の昆布が北海道から富山に運び込まれました。
そのため富山では昆布を使った郷土料理が多く作られるようになりその名残が現在まで残って、このように消費が多くなっているのだと思われます。コンビニで「とろろ昆布」のおにぎりが売られているなど富山は昆布の消費量日本一を誇っています。
分布図を見ると、北前船の寄港地が多かった日本海沿岸は昆布の消費量が多く、北前船が昆布文化の普及に影響していると言えそうだ。
この他、
魚介類消費量が少ない沖縄県で消費量が多いのが目立っている。沖縄で昆布が食べられるようになったのも江戸時代からで、これも貿易と関係がある。
目からウロコの琉球・沖縄史
昆布と富山のクスリ売り昆布の流通網と結びついていたのが富山のクスリ売りでした。彼らは東北から九州の薩摩まで販路を広げてクスリを売っていました。その富山のクスリ売りが目をつけたのが、琉球が中国からもたらす漢方薬の原料です。琉球は中国から大量の漢方薬の原料を輸入していて、クスリ売りにとって貴重な漢方薬はノドから手が出るほど欲しいものでした。そこで富山のクスリ売りは薩摩を通じて、日本海ルートでもたらされる昆布を代価に琉球の漢方薬をゲットしたのです。
相関ランキングを見ると、
年間雪日数と正の相関があり、
年間日照時間と負の相関があることから、雪が多く日照時間が短い北日本で昆布の消費量が多い。
また、
もやし消費量や
わかめ消費量、
りんご消費量、
イカ消費量などと正の相関があり、昆布の消費量が多いところはこれらの消費量も多い。
なんか昆布の消費量と新型コロナの罹患率に逆相関があるように感じますね。もしかしたら大発見じゃないですか。