食糧自給率にはカロリーベース、生産額ベースがあり、違いは以下の通りとなっている。
カロリーベース総合食料自給率「日本食品標準成分表2015」に基づき、重量を供給熱量に換算したうえで、各品目を足し上げて算出。
これは、1人・1日当たり国産供給熱量を1人・1日当たり供給熱量で除したものに相当。
(例)カロリーベース総合食料自給率(平成27年度)
=1人1日当たり国産供給熱量(954kcal)/1人1日当たり供給熱量(2,417kcal)=39%
生産額ベース総合食料自給率「農業物価統計」の農家庭先価格等に基づき、重量を金額に換算したうえで、各品目を足し上げて算出。
これは、食料の国内生産額を食料の国内消費仕向額で除したものに相当。
(例)生産額ベース総合食料自給率(平成27年度)
=食料の国内生産額(10.5兆円)/食料の国内消費仕向額(16.0兆円)=66%
カロリーベースの食糧自給率は
食糧自給率(カロリーベース)を参照。
また、畜産物については外国産飼料で育てたものは国内産に含まれていない。
生産額ベースの食糧自給率の全国平均は66.4%。最も自給率が高いのは宮崎県で257.4%。2位は鹿児島県で240.8%。両県はグラム単価が高い畜産業が盛んなところであり、畜産が県の農業生産額を押し上げていると言えよう。3位以下は青森県、北海道、岩手県の順。
一方、最も自給率が低いのは東京都で3.8%。これに大阪府、神奈川県、京都府、埼玉県と続いており、都市部で自給率が低い。
分布地図を見ると地方で自給率が高い。
相関ランキングでは
農業就業人口や
肉用牛飼育頭数、
豚飼育頭数と正の相関が高く、農業就業人口が多く畜産が盛んなところで生産額ベースの食糧自給率が高い。畜産はグラム単価が高いためと言えそうだ。
米作付面積との相関を見ると、
カロリーベースの食糧自給率とは正の相関があるが、生産額ベースの食糧自給率とは相関がない。
一方、
肉用牛畜産農家数や
豚畜産農家数との相関を見ると、生産額ベースの食糧自給率とは正の相関があるが、
カロリーベースの食糧自給率とは相関がない。
これらのことから、カロリーベースの食糧自給率は米の生産との関連が強く、生産額ベースの食糧自給率は畜産との関連が強いと言えそうだ。
なお、都道府県別の自給率については農水省より
注:都道府県別食料自給率については、
1.データの制約から、各都道府県の生産・消費の実態を十分把握できていない部分があること、
2.各地域の自然・社会・経済的な諸条件が異なっていることから、その水準を各都道府県間で単純に比較できるものではないこと、
に留意願います。
と注意喚起されている。