一等米比率各都道府県産米などに1等米が占める割合。農林水産省は、農産物検査法に基づいて玄米を1〜3等と「規格外」の4等級に格付けしており、1等米は白く濁ったり実が細ったりしていないコメの割合が全体の70%以上を占めるものと定義されている。民間の登録検査機関(2007年度末で1425機関)が検査する。
となっている。食味等を分析する成分等検査とは違うが、美味しい米の判断基準のひとつとなるだろう。一等米比率都道府県別に毎年発表されているが、年によって作況が異なるため、2004年から2008年までの平均値で比較した。
一等米比率の全国平均は76.52%。一等米比率1位は長野県で94.52%。長野県は
水稲10a当たり収量でも1位になっている。
2位以下は栃木県(92.18%)、千葉県(3位:90.68%)、岩手県(4位:90.56%)、奈良県(5位:90.46%)となっている。
米生産量日本一の北海道は87.16%で11位だが、近年、一等米比率が急速に向上している。北海道は寒冷地で冷害も多いため、美味しい米の栽培が難しいとされていたが、品種改良により品質が向上し、今では全国平均を上回る一等米比率となっている。
一方、魚沼産コシヒカリなどで有名な新潟県は72.66%で19位。これは全国平均を下回っている。米どころの北陸全体でも富山県が14位、福井県が16位と低迷しており、従来のイメージと異なっている。
日本農業新聞」1等米比率伸び悩む “北陸は米どころ”か 10年間ベスト10入りなし 【いしかわ】北陸農政局の2008年産米穀検査結果(2月末現在)によると、北陸3県の1等米比率全国順位は富山の14位が最高で、1999年産以降10年間に1度もベスト10位入りできないことが確実な見通しになった。
新潟を含めても2000年産の10位が最高で“北陸は米どころ”に疑問符が付きかねない状況になっている。
(中略)
同農政局の1996年産以降の記録では、富山が同年3位、97年2位、98年7位と3年連続ベスト10入りし、石川は97年7位、福井は97年5位、98年4位と実績を挙げている。
ところがこの10年間は、8年連続1位の長野をはじめ東北、北海道、関東勢がほとんどベスト10を占め、北陸勢の11位以下への固定化傾向が否めない。原因は災害、病虫害、土壌などの自然条件や検査基準、肥培管理技術など「複合要因があるので慎重に考えねばならないが、温暖化で登熟期の高温の影響はあるだろう」(農研機構中央農業総合研究センター北陸研究センター)という。
地域的に見ると東日本で一等米比率が高く、西日本で低い傾向がはっきりしている。米の登熟期(米が実る時期)に温度が高かったり、台風の被害にあったことなどが原因と見られている。