共働き率の全国平均は57.59%。共働き率が最も高いのは山形県で71.15%(偏差値67.4)。2位は福井県で70.50%。3位以下は島根県(70.22%)、富山県(69.08%)、新潟県(68.67%)と日本海側の諸県が上位に入っている。一方、最も共働き率が低いのは東京都で49.98%(偏差値29.0)。これに大阪府(50.55%)、神奈川県(51.33%)、奈良県(52.08%)、兵庫県(53.38%)と続いていて、大都市とその周辺で共働き率が低い。
分布地図を見ると都市部で共働き率が低く、地方で共働き率が高い。言い換えると都会ほど専業主婦が多いという結果になっている。
農業主体の地方では家族全員が農作業をすることが普通だった。これが変わったのが高度経済成長時代で、都会に集まった金の卵に用意されていたのが「サラリーマン+専業主婦+公団住宅+
核家族」というライフスタイルだった。これはサラリーマンとしての生産力の確保に加えて、農村型自給自足生活を解体して消費者を大量に生み出すための仕組みで、実際、相関ランキングを見ても
核家族率との相関が非常に高い。
このところの不景気の影響もあり、都市部の女性も働くことが増えているが、待機児童問題などで社会進出が遅れている。もともと都市部は専業主婦とサラリーマンに最適化されているので、地方に比べて近所や親戚の支え合いが少なかったり、通勤に時間がかかるなど、女性の社会進出のための環境が劣っている。都市の成り立ちにまで結びつく構造的な問題だ。
高い相関関係となっているランキングには
自動車普及率(2台以上)や
自動車登録台数もあげられる。地方では通勤の足として自動車が使われており、夫も妻も仕事で車を使うことから自動車登録台数が増えているものと思われる。また、
製造業従業者数とも高い相関関係となっており、女性の労働力が多く見込める地域に製造業が多いと言えよう。
持ち家住宅述べ床面積や
農業就業人口との相関も高く、
国勢調査では家族の就労状況を詳細に調べた統計があり、それを使っています。例えば夫だけが働いている家庭、妻だけが働いている家庭などが分かります。